HOOP CHALLENGE 実施コンペ2024
テーマ「星と川を楽しむ小さな建築」


「実施要項」

■詳細条件

・テーマに沿った作品とすること

・主な材料は木材を用いること(極力一般流通している材を用いる)

・設置スペース寸法 2500mm✖2500mm✖h2500mm以内※

※大きさは目安です。必要であれば大きくなってもかまいません。

・設置場所 丹波山村に短期間の設置。詳細は後述

・東京都の水源地であるため、環境に配慮した作品とすること

・設置場所の床は河川敷(砂利)や土の為、アンカーなどの固定は不可。自立する構造とすること。

・転倒、倒壊など安全性に注意すること

・屋外に設置する為、強風等への配慮をすること

・照明等電源の利用は難しい。

・河川等の為、数時間で設置、解体が可能なものとすること。

・展示期間終了後、解体梱包し、移設、収納可能な仕様とする。

・収納時の省スペース化、二次利用できることが望ましい。

・施工及び解体時に重機を用いることはできない。脚立・人力で施工できる構造にする。

 

■提出物について

・A3サイズPDF2枚以内もしくは、A3サイズPDF1枚と模型を映した動画(30秒以内)とする

・動画は模型を撮影し、工法、構造、システムが分かるようにする。

・動画が無い場合でも、PDFに工法、構造、システムが分かるようになっていればよい。

 

 ■費用に関して

・製作費30万円(材工すべての費用を含む)を予定

・組み立て、解体費用も製作費に含む

・概算を記載は不要だが、材料がどのくらい使うかを明記することが望ましい

・自主制作も可能 その旨を記載する。

・自主制作の場合、9月1日~13日までに制作すること

・遠距離等で、実作に関われない場合は、デザインを参考に、コンペ実行委員が調整し実施する。

 

■そのほか権利など

・著作権は応募者に帰属するが、発表・公開の権利(無償)は主催者側に帰属するものとする。

・応募者のの氏名、所属、作品等 ホームページやSNS等で公表する。

・応募者全員、書籍等への利用することがある。


候補地1 丹波川内&河川敷

 

キャンプ場や村道から河川内に降りることができます。釣り堀もあります。

河川内への設置は法規上難しいかもしれませんが、即日撤去が可能な場合はOKとします。

(実施の際に要相談になりますが、審査には影響しません)

川に足を付けられる提案等もありとします。(写真は冬の写真です 追って動画などをアップします)


候補地2 耕作地 耕作放棄地

 

村内には耕作地、および耕作放棄地があります。

平坦な敷地もあれば、南側斜面(約15度~25度程度)があります。


丹波山村について

 

株式会社HOOPでは、梅鉢不動産の元、丹波山村で空き家調査とその利活用の活動をしています。
丹波山村は、歴史的にも東京都(大都市)にとって重要な場所であるにも関わらず、あまり知られていないのが現状です。ここでは、水源地と都市の関係を知っていただきたいと思っています。

 

丹波山村を含めたこの周辺の森は、江戸時代には、幕府の御領林として保護され、良好な環境を維持してきたようですが、明治~大正時代になると、都市部の燃料である薪の為の伐採で、山が荒廃していきます。


谷合の集落ですから、田んぼは無く、急斜面で耕作も難しい土地です。おそらく、狩猟と炭焼き(林業)が主な産業だったのでしょう。


鬼滅の刃で最初に鬼に襲われた竈門丹次郎と禰豆子の家があったのが、丹波山村と奥多摩市にまたがる雲取山とされており、木々を切り、炭にして売りに行く。作中にある風景がこのあたりの日常だったのでしょう。

明治期は、都市の近代化、産業の機械化、戦争等、多くの燃料を必要としました。この地の長年の大規模な伐採で、山は荒廃し、保水機能が失われていきます。雨が降れば、土砂とともに多摩川に流れ、都市部は冠水し、雨が降らなければ、都市部は渇水になります。


1908年(明治41年)当時の東京市長は、この問題を解決するために、この地を訪れ「水源涵養林」として、保全することを計画し、実行に移します。以降120年の間、都市の水源地として森を守ってきた地域です。

 

鬼滅の刃は大正時代初期の設定ですから、既に大規模伐採が制限され、植林が始まっている頃です。きっと地域の主要産業を取り上げられ、苦しい生活を強いられたことでしょう。

植林といえば、杉や檜を思い浮かべます。しかし、この地は「水源涵養林」としての植林の為、建材の為の林業も、製材所もありません。すべて森の保全の為だけに行われました。

 

今でこそ、「環境」の時代となりましたが、120年も前から森を守り、川を守り、都市を守ることを宿命とされた地域です。森と都市、川と都市を今一度考える機会になったらと願っています。

 

そして、是非行ってみたい!と思える提案を期待しています。

「水源涵養林」について

 

水源涵養林には主に3つの機能があります。

〇雨水を貯える

〇土砂の流出を防止する

〇水質を浄化し、一定量河川に放出する